今回は、有限会社アリア代表松本すみ子さんの登場です。
■企業人から起業人へ
現在、仕事のキャリアおよびそれに関する人生設計の相談を受けるキャリアカウンセリングを中心に活躍中の松本さん。松本さんがカウンセラーとして独立・起業したのは、IT企業で20数年勤務した後でした。会社員としてのキャリアを築きながらもあえて起業家の道を選んだきっかけは何だったのでしょう?
「長く組織にいて次第に閉塞感や疎外感、無気力感を覚えるようになり、この会社でこの先私に何ができるのかと考え続けていました。」そんな時、会社で大きな不祥事が発覚し、その余波で部下も予算も力の発揮どころもなくなり、「今が辞め時」と思ったのだそうです。
ご本人も「ある種の賭け」とおっしゃった独立ですが、実際に独立してみると、徹夜もあるハードな毎日にもかかわらず不思議と会社員時代のようなストレスは感じないとか。「自分の好きなようにプランし、実行できる面白さがある」とのことで、忙しくとも仕事を心から楽しんでいるご様子が目に浮かびます。
座右の銘を伺うと、「継続は力。的を得た仕事を着実にこなしていけば必ず成功します」。そして「大きな一つの仕事より、小さな多くの仕事。大きな仕事は一つなくなったら大変。小さくても数があれば、一つや二つなくなっても経営は続けられます」、の2つをあげていただきました。
―持続力と柔軟性。個人事業のSOHOにとっても肝に銘じておきたいことですね。
■カウンセラーとして
松本さんは「産業カウンセラー」という資格をお持ちです。産業カウンセラーとは、職場内の人間関係やキャリアなど、職場や仕事で生まれる様々な悩みの相談を受ける人のこと。
カウンセラーといえば、コミックやドラマでも頻繁に登場する人気職業の1つですね。松本さんは今年9月「心理系の仕事を見つける本」を出版し、こうした職業を志す人にエールを送っていますが、「カウンセラーは人の不幸の上に成り立っている職業。常に相談者と同じ目線で謙虚に受け止め、学ぶ姿勢が必要です。」とその仕事に対しては常に謙虚な姿勢を保っています。
さらに、今現在仕事で悩んでいる人に対しては、「誰にも言えずにたまるストレスを発散する方法を自分なりに見つけることが大切」とのアドバイスをいただきました。
1人で仕事をする中で、仕事上の悩みをぶつける仲間がいないSOHOの方も多いのではないでしょうか。自分で仕事を開拓していくと同時に、そこから生じるストレスや悩みを自分で解決できる強さも、SOHOには求められるのかもしれませんね。
■カウンセラーの視点から生まれたシニアライフアドバイス
カウンセラーとしての経験を積むうち、松本さんはシニア世代からの相談が多いことに気づきます。それをきっかけに、シニア世代をケアする「シニアライフアドバイザー」としての事業に進出し、現在All About Japanで「シニアライフ」サイトのガイドを務めています。
このように、自分の道をさらにご自身で開拓した松本さんの目標は、「シニア関連事業を柱に、カウンセリング、コンサルタント、ライフスタイル提案、執筆、そして、マーケティングなどを集約していきたい。利益のみを追求するよりも、社会貢献的な事業を行う社会起業家を目指しています。」だそうです。そのためにNPO法人「おとなの暮らしと仕事研究所」を立ち上げ、現在認可申請中とのこと。「『シニアの生き方と働き方に関することなら、松本すみ子だ』と言われるようになりたい」と夢を語っていただきました。
■焦らないことが大事
最後に、生き方を模索している女性に一言お願いしました。
「物事は長いスパンで見ることです。30代後半〜40代前半の女性のお話を伺うことが多いのですが、もう若くないと焦っている人が多いようです。しかし寿命でみればまだ半分。しかも人生の初めの10年くらいは子供だったのですから、これからの方が実り多い時期になるはず。いたずらに焦るだけでなく、どこに自分の満足を求めるのか一度じっくり考えてみることです。行動はそれからでも遅くはありません。」
あせらずゆっくり熟考する。厄年を過ぎたばかりであたふたしていた私には、そんな松本さんの言葉が深く身にしみました。
取材執筆:佐藤明子
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