当たり前のことだけど、この本は題名どおり、フリーライターになって稼ぐためのハウツー本。それは間違いない。
ライターたちの現状、ライターにはどういう種類があるのか、素人がライターを目指す時どう行動を起こせばいいのか、などが具体的にわかりやすく書かれている。その上、文章上達法や、企画の立てかた掘り下げかたなどのノウハウも、実に惜しげなく書かれているから、「このとおりやったら半年後にはきっと私が書いた記事が雑誌に掲載されているわ」なんてほくそ笑んでしまうほど、ハウツー本として充実している。
でも私はそれ以上に、出版業界の内情がおもしろおかしく書かれているところがこの本の魅力だと思う。編集者の日常生活や人間性、果てはそういう編集者たちのあしらいかたまで実にセキララに書かれているのだ。
「そっかー、編集ってこういう仕事なんだー」とか、「なるほど、こういう手があったのか」なんて妙に納得しながら読み終わる頃には、ちょっと遠い存在だったライターという職業がグンと身近なものになってて、なんだか自分でもできちゃうような気がしてしまう。
そんな不思議な自信を与えてくれるところがこの本の魅力だなんて言ったら、著者さんにしかられちゃうだろうか。
ハウツー本は掃いて捨てるほどあるけれど、現実的なレベルの高いノウハウが列挙されてて気後れしてしまったり、逆に漠然とした内容すぎていったい何から始めたらいいのか結局わからなかったり。そういう本が多い中で、この本はそのあたりのバランスがうまくとれててそれでいておもしろおかしく書かれているから、ライター志願者にはちょうどお奨めのハウツー本だと私は思う。
それに、これだけ楽しめるハウツー本ってのも、あんまりないと思うしね。
書評:安福 雅美 |